- HOME>
- いぼ痔（痔核）
肛門にイボのような腫れが現れる「いぼ痔」
いぼ痔（痔核）は、肛門にイボのような腫れが現れる疾患です。
主に便秘による硬い便や、排便時の強い力みが原因となり、肛門に負担がかかることで発症します。
これにより、直腸と肛門の血液循環が悪化し、静脈がうっ血して腫れが生じます。
そんないぼ痔は、発症場所によって大きく2種類に分けられます。
肛門の内側にできるものは「内痔核」、肛門の外側に近い場所に現れるものは「外痔核」と呼ばれ、腫れ方や症状が異なります。
また、「血栓性外痔核」という、血栓ができるタイプも存在します。
こうした「いぼ痔」の原因や症状について、以下でさらに詳しく説明します。
内側にできるいぼ痔（内痔核）
内痔核は、肛門の内側、歯状線よりも内側に現れる腫れ物です。
これは、血液の流れが悪くなり、静脈が膨らんでうっ血が起こることが原因です。
この部位には痛みを感じる神経がないため、痛みを感じることはありません。
そのため、多くの方は排便時に便に血が混じっていることに気づきます。
時には、大量の出血で便器が赤く染まることもあります。
また、進行すると内痔核が肛門外に飛び出してしまうケースも少なくありません。
炎症が伴うと痛みが生じることがあるため、放置すると症状が悪化することがありますので注意しましょう。
内痔核の分類
内痔核は、その進行度合いによって以下のように段階的に分類されます。
1度
内痔核が外に飛び出すことはなく、痛みもありません。
主な症状は排便時に見られる出血です。
2度
排便中に内痔核が肛門外に脱出しますが、排便が終わると自然に元の位置に戻ります。
炎症の程度によっては痛みを伴うこともあり、同じく排便時に出血することがあります。
3度
排便中に内痔核が肛門外に脱出し、その後は自然に戻らず、指で押し戻さなければなりません。
炎症によって痛みが生じることもあり、排便時に出血が見られます。
4度
排便の有無にかかわらず、内痔核が肛門外に脱出したままの状態が続き、指で戻すことが難しくなります。
この状態に進行すると、肛門括約筋が飛び出した内痔核を締め付けるため、激しい痛みを伴うことがあります。
外側にできるいぼ痔（外痔核）
外痔核は、肛門周辺の皮膚に発生する腫れ物です。
この部位には多くの神経が通っているため、痛みを強く感じることが一般的です。
急な血管の炎症が加わると、その痛みはさらに激しくなることがあります。
さらに、イボのような血豆が見られる場合、血栓性外痔核という症状の可能性が考えられます。
血栓性外痔核について
血栓性外痔核は、肛門周囲の血流が低下し、血液が凝固して血栓を形成することから始まります。
この血栓が膨張して、イボのような血豆ができる状態になります。
突然腫れて、強い痛みを伴うことが特徴です。
原因としては長時間の同じ姿勢、アルコールの摂取などが影響を与えることが多いと考えられています。
血栓性外痔核の特徴
血栓性外痔核の痛みの強さは、血豆の大きさによって異なります。
中には痛みを感じない場合もありますが、多くの場合、突然の腫れと痛みを伴います。
血豆は時間と共に小さくなり、体内に吸収されて痛みも収まりますが、血豆が大きい場合は痛みが長引き、回復には数ヶ月かかることも珍しくありません。
血栓性外痔核の注意点
血栓性外痔核が発症してしまったら、肛門に過度な負担をかけないことが重要です。
長時間同じ姿勢をとることは避け、症状が強い時には横になって休むようにしましょう。
負担を減らすことで、症状の悪化を防ぎます。
一般的ないぼ痔の治療
いぼ痔の治療は、患者様の状態に合わせて適切な方法を選ぶことが重要です。
まずは医師としっかり相談をして、納得のいく治療方法を考えるようにしましょう。
ジオン注射治療（ALTA療法）
ジオン注射治療は、痔の症状、特に内痔核の脱出や痛みを和らげるための注射治療法です。
この治療を受けた後は、翌日から通常の生活に戻ることができるため、非常に迅速な回復が可能です。
ただし、この方法は患者様の症状に応じた適切な使用が求められ、そのためには施術を行う医師の高度な技術が必要です。
結紮切除法
結紮切除法は、内痔核の外側部分を切り取り、その根元を縛って取り除く治療法です。
この方法は幅広い症例に対応でき、再発リスクも減らせます。
その一方で、術後に痛みや出血を伴うことがあるため注意が必要です。
また、複数の痔核がある場合、肛門狭窄のリスクもありますので注意しましょう。
ジオン注射法と結紮切除法の併用治療
内痔核と外痔核が併発している場合、ジオン注射法と結紮切除法を組み合わせて治療を行います。
ジオン注射は内痔核に、結紮切除法は外痔核に適用します。
この治療法の利点は、切除部位が小さく、完全治癒を目指すことができ、手術後の痛みや出血も軽減されることです。
輪ゴム結紮法
輪ゴム結紮法は、特別な輪ゴムを使用して内痔核の根元を締め、血液の流れを止める治療方法です。
この方法は再発が少ないですが、主に内痔核にのみ適用され、外痔核にはあまり効果的ではありません。
治療後、痔核が排除されるまでに数日かかるため、その間は食生活に注意して便秘や下痢を防ぐことが重要です。
